スマートフォンの次にくると言われ、世界中の大手ITメーカーが開発を続けているコンピューターデバイス、ウェアラブル端末。ウェアラブル端末と聞いて多くの人は、AppleのApple Watchをイメージすることでしょう。
しかし、ウェアラブル端末と一口に言ってもその種類は様々です。腕時計型のスマートウォッチだけでなく、指輪型端末「スマートリング」や小型のクリップ型など搭載機能に応じた形状があります。
スマートウォッチの人気に伴い、市場拡大が期待されているウェアラブル端末が「スマートグラス」です!
今回は、次世代のウェアラブル端末である「スマートグラス」について紹介したいと思います!
【ウェアラブル端末紹介記事】
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もくじ
スマートグラスとは?
スマートグラスとは、眼鏡型のウェアラブル端末です。
見た目は普通のメガネと変わりませんが、動画・写真撮影ができたり、ハンズフリー通話ができたり、様々な機能が搭載されています。近年では、スマホに次ぐコンピューターデバイスとして、スマートウォッチに並んで注目を集めているデバイスです。
スマホと連動することで、眼鏡のレンズに仮想画面を投影し、スマホ画面を共有する事ができます。アプリと連動することで大画面で動画視聴しているかのような体験も可能。また、ヘルスケアアプリと連動すればリアルタイムで運動量や歩数や心拍数をチェックすることもでき、健康管理をサポートする便利アイテムとしても人気です。
身近な眼鏡の形状で、身につけるだけで多彩な情報を得られるスマートグラスはサイバーパンクの世界観を彷彿とさせる近未来的アイテムです。
スマートグラスの魅力
ウェアラブル端末は、パソコン・スマホに近い機能を搭載した身につけるタイプのコンピューターデバイスです。その中でも、スマートグラスの大きな魅力は手を使わずにレンズのディスプレイでスマホ画面を共有できるという点です。
スマートグラスは、レンズにデジタル情報を投影することができるという画期的機能が搭載されています。マルチポイント対応のものなら、PC・スマホ・タブレットの複数のデバイスに接続し、動画を視聴しながらレンズの画面でメール通知をチェックする事ができます。作業中に別のデバイスの画面を確認することができるというのは作業効率化に繋がり、デスクワークが捗ります。
また、ランニング中に歩数・心拍数をレンズ画面でチェックする事で健康管理がより簡単でスムーズになります。経路案内アプリと連動すればナビゲーションとしても使えるので、ワークアウト・オフィスシーンでも活躍できるポテンシャルを秘めています。
テンプル部分に穴が開いており、そこから音楽を楽しむことも可能です。イヤホンは長時間装着していると耳に痛みや疲れを伴いますが、眼鏡型であれば耳への負担は軽減され、長時間装着していても疲れにくいです。
ARグラスとの違い
スマートグラスは度々ARグラスと混同されます。同じ眼鏡型であり、搭載機能が似通っている事から同じものと思われる事が多いですが、厳密に言えば両者は別ものです。
ではその違いは何かとざっくりと説明すると、現実空間を認識できるものがARグラス、できないものがスマートグラスです。
ARグラスは、レンズを通して現実空間を認識し、レンズにデジタル情報を投影する端末です。基本的にはAR機能しか搭載されていません。
では、AR機能とは何か?それは現実空間に情報を付与する機能です。レンズを通して認識した外国語を日本語に翻訳した情報をレンズに投影したり、現実空間に仮想生物を投影したりする事ができます。AR機能の代表例は「ポケモンGO」や「Googleレンズ」です。
現実空間を認識できる・・・?と疑問に思う方は、ドラゴンボールに登場するバトルスカウターをイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれません。バトルスカウターとは、装着することでレンズ越しに相手の戦闘力をチェックできるという鳥山明ワールドの仮想アイテムの一つです。あれは、現実に対面した人間の情報をレンズに投影するものなので、バトルスカウターはARグラスです。
対して、スマートグラスには現実空間を認識できるもの機能はなく、スマホやPCと連動して、連動した端末画面をレンズで共有する機能が主です。現実空間を認識しないので視認したものに対して情報を付与したりはできません。しかし、カメラ機能があれば写真・動画撮影も可能なので、機能の多さで言えば、スマートグラスの方が優れていると言えます。
ARグラス・・・現実空間にデジタル情報を付与できる。
スマートグラス・・・デバイスと連動して、レンズにデバイス画面を投影する。現実空間の認識機能は基本的にはない。
スマートグラスの実用例
スマートグラスは、個人で使うデバイスとしても優秀ですが、カメラを通して視覚を共有できる・ハンズフリー通話ができる・作業中でも操作ができる、など作業現場で活用できる機能が揃っていることから、すでに多くの企業の現場にも導入されています。
建設現場では遠隔臨場で活躍!
日本を代表する大手建設企業の一つであり、CMでも目にすることが多い建設会社「奥村組」では、すでにスマートグラスを現場に導入しており、大幅なコストダウンを実現しています。
「工事期間中に適宜必要になる監督官の現場臨場には、監督官と受注者双方に移動に伴う時間とコストが発生する。そこで同社では、新技術情報提供システム「NETIS」に登録されている「V-CUBE コラボレーション」を導入。同製品に特化したRealWear社製の「音声認識型スマートグラス」を共に使用することで現場臨場をしなくても状況を確認できる「遠隔臨場」を可能にし、業務全体の効率アップも実現した。
Beyondテレワーク V-CUBE 導入事例
建設現場では、監督官と受注者双方が現場に立ち会う現場臨場が適宜必要になります。この臨場には双方のスケジュールのすり合わせや移動コストがかかる事が問題となっていました。
その問題を解決するために同社は、新技術情報提供システム「NETIS」に登録されている「V-CUBE コラボレーション」を導入。同製品に特化したRealWear社製の「音声認識型スマートグラス」を共に使用することで現場臨場をしなくても状況を確認できる「遠隔臨場」を可能にし、業務全体の効率アップも実現しました。
週に数回、監督官が行っていた現場での目視による確認が減少したことで、監督官の負担だけではなく、その対応に割かれていた現場の人的リソースも最大限に活用できるようになりました。
また、遠隔臨場の際の映像を資料映像とすることで、現場に立ち会えない関連部署との情報共有も円滑化に成功し、業務効率と生産性の向上につながります。
危険な場所での保守・点検現場にも!
保守・点検の現場でも、スマートグラスは広く活用されています。
特に、ロープを用いるような高所作業などでは、ハンズフリーで使用できるスマートグラスは非常にメリットが大きく、安全をしっかりと確保した状態でコミュニケーションを取ることができます。また、離れた場所から現場の様子を確認できることで、これまで複数名で行っていた点検作業も一人で行えるようになり、シフトの効率化やベテラン社員の拘束時間を削減することができます。
整備工場では若手整備士の育成に活用!
生産現場では、品質維持のために専門的な技術と知識をもった作業員の存在は欠かせません。それにもかかわらず経験豊富な人材の不足、技術の伝承などの課題が多いのが現状です。
松江市の自動車整備会社では整備士の技術向上のために、2022年4月からカメラ付きスマートグラスを導入しています。
自動車用電装品の販売などを手掛ける松江市のヤマトでは、ベテラン整備士の技術を若手に伝えようと、今年4月からカメラ付きスマートグラスを導入しました。 本社にいるベテラン整備士が、現場から送られてくる映像を見ながら、音声で指示を送り、若手の作業をサポートします。
Yahoo!!ニュース 「スマートグラスで若手とベテランが目線を共有 自動車整備ノウハウの継承に活用(島根・松江市)」
経験と知識が浅い若い整備士でも、本社のベテラン整備士の指示・支援があることで、技術的にできなかった修理にも挑戦する機会を得る事ができるので技術向上に繋がり、技術者の育成問題の解決にもなります。
おすすめの人気スマートグラス3選
第1位 エプソン MOVERIO BT-35E
500万画素の高画質での撮影可能。ディスプレイには有機ELを採用!
エプソンの機能性に優れたスマートグラスです。
カメラを搭載しており、500万画素の高画質で撮影できるのが特徴。ディスプレイには有機ELを採用しているため、高精細な映像を楽しめます。ドローンの映像を確認したり、ゲームプレイ画面を楽しんだりと、さまざまなシーンで使えるのも魅力。跳ね上げ式シェードを搭載しており、屋内や屋外など明暗差が多い環境でも快適に使用できます。
しかし、有線でデバイスと接続タイプ。コードが邪魔くさいです。また、デザインがごつめなので外出先で気軽に使える形状ではありません。高画質映像を共有できるので、作業現場に導入する用としては優秀です。
第2位 Anker Soundcore Frames Cafe
Ankerならではのハイコスパを実現したオーディオグラス!
コスパのいいガジェットブランドとして高い評価を得ているAnkerのスマートグラスです。
テンプルにある計4つのスピーカーから臨場感のある音楽を楽しめます。1時間の充電で最大5.5時間の連続再生が可能で、カスタマイズ可能なタッチコントロールにも対応。
普通のPCメガネと見分けがつかないくらい軽量&コンパクト。長時間つけていても疲れにくいです。シンプルなデザインなので街中でつけていても違和感ありません。
PCメガネタイプの「Soundcore Frames Cafe」と、サングラスタイプの「Soundcore Frames Landmark」の2種類があるので、場面に応じて使い分けができます。PCメガネタイプは、ブルーライトを20%カット。サングラスタイプは、紫外線を最大99%カットする偏光レンズを搭載。
スピーカーの構造上、音漏れしやすいです。音量を上げると周囲に漏れるので気兼ねなく使える場所が限られます。
第3位 Bose Frames Alto

マイクを搭載したハンズフリー通話対応!アプリ連携でより快適な操作が可能!
高音質なオーディオブランドとして人気がある、「Bose」が販売するスマートグラスです。
特徴的なオープンイヤーデザインを採用しています。耳にかけるテンプル部分にスピーカーが搭載されており、専用アプリからBluetooth接続で音楽を流します。周囲の音が聞き取りやすいため、歩きながらでも周囲を気にしながら安心して音楽を聴くことが可能です。さすがはBOSE!言えるほどの高音質を楽しむことができます。スマートグラスとしてはかなりハイレベルの品質と言えます。
ワンタッチで通話の受話や拒否、音楽の操作、SiriやGoogleアシスタントへのアクセスなどができるボタンをフレームに配置。マイクを内蔵しているのでハンズフリー通話にも対応。
サイズ調整はできず、頭の小さい方は落下の心配があります。また、通常のメガネより重いため、長時間使用時の疲れも気になります。