
旅行や出張などの長距離の移動の際には、PCやスマホのデジタルデバイスの充電切れが心配です。出先ではいつでも充電できるとは限りません。
そんな時に便利なアイテムが「モバイルバッテリー」です。コンセントがなくても充電ができるので旅行・出張時の便利なアイテムとして多くの人が活用しています。
しかし、飛行機で移動する際にはモバイルバッテリーは持ち込めない場合があります。ほとんどの航空会社のサイトでは、モバイルバッテリーを持ち込む場合の注意事項を明記しています。製品によっては持ち込み不可の場合も。
逆に、規定に沿ったモバイルバッテリーであれば飛行機でも持ち込むことができるんです!
今回は、モバイルバッテリーを持ち込む際のルールと飛行機に持ち込めるおすすめの人気モバイルバッテリーを解説・紹介していきます。
【モバイルバッテリーの使い方の注意点と正しい捨て方の解説】
【モバイルバッテリーを買う際のチェックポイントと選び方の解説】
モバイルバッテリーは預け入れできない!

実は、飛行機に乗る際にモバイルバッテリーは荷物として預けることができません。必ず機内へ持ち込む手荷物に入れる必要があります。
これは航空法第86条で、爆発や発火の恐れがあるもの、腐食性があるもの、毒性があるものなどは「危険物」として航空輸送が禁止されているからです。
航空法86条とは、爆発物など危険物の輸送を禁止を定める法律です。
本文:「爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれのある物件で国土交通省令で定めるものは、航空機で輸送してはならない。」
※航空法・・・民間の航空機の航行と安全に関する日本の法律です。
モバイルバッテリーは危険物?
多くのモバイルバッテリーで採用されているリチウムイオン電池は、充電することで繰り返し利用できるというメリットがあります。
しかし、リチウムイオン電池は古くなるとバッテリー内部が膨張していきます。膨張の原因は、電解質が酸化し、ガスが発生しているからです。膨張した状態のリチウムイオン電池は、衝撃加わることで発火や爆発の危険があります。そのため、航空法においては、発火・爆発の可能性があるモバイルバッテリーは危険物として分類されます。
もしも、何らかの原因で荷物に入ったモバイルバッテリーが発火・爆発してしまった場合、貨物室では客室乗務員も発見することができません。適切な初期対応ができず、機内火災につながる恐れがあります。
そのため、モバイルバッテリーは必ず機内に持ち込むことがルールとなっています。
モバイルバッテリーを機内に持ち込むための条件とは?

預けることができませんが、機内持ち込みなら可能です。しかし、機内に持ち込む場合にも制限があります。その制限を超えるスペックのモバイルバッテリーに関しては機内にも持ち込むことはできません。
機内に持ち込み可能のモバイルバッテリーの条件については航空会社によって若干上限が違いますがほとんどが以下2点を制限しています。
- 容量
- 個数
機内に持ち込むモバイルバッテリーのスペックを事前に確認しておきましょう。
国内線の場合
ANAやJALなどの国内線では、ワット時定格量160Wh以下のモバイルバッテリーが持ち込み可能です。
160Whを超えるモノは機内持ち込みも預け入れもできません。必ずワット時定格量をチェックしてみてください。
100Wh〜160Wh以下のモバイルバッテリーなら、2個まで機内持ち込みできます。バッテリーを大量消費する方は、160Wh以下のモバイルバッテリーを2個持ち込むのがおすすめです。
Wh(ワットアワー)・・・W(ワット)に時間をかけたもので、「電力量」を表す単位です。電力量(Wh)= 電力(W)× 時間(h)で求められます。
国際線の場合
国際線の飛行機でも、日本国内と同じ規定の航空会社が多いです。ほとんどの国では、100Wh未満であれば機内の持ち込みが可能で個数制限もない場合が多いです。
しかし、国・航空会社によって日本以上にモバイルバッテリーの制限が厳しい場合があります。
さらに、同じ航空会社でも、発着する国によって容量制限や規定が違う場合もあります。事前に発着する国と利用する航空会社の規定をHPなどで確認しておきましょう。
例えば、中国の空港では100Whを超えるモバイルバッテリーは飛行機への持ち込み自体が禁止されています。出張や海外旅行などで中国の空港を使われる方は注意してください。
100Wh未満のモバイルバッテリーでもバッテリー本体に「100Wh以下」の記載がないと、空港で没収されることが多々あるようです。