
高温多湿の猛暑が続く日本の夏の間は、特に熱中症対策が必要になります。
熱中症対策は、何よりも水分補給です。しかし、なんとなく水分を飲むだけでは熱中症対策としては有効ではない可能性があります。
体内の水分が不足した状態は放っておくと命の危険もります。なので、短時間で効率的な水分補給の方法を知ることで夏の間も健康を保つことができ、仕事のパフォーマンスも維持することができます。
今回は、熱中症対策に有効な正しい水分補給の方法を解説します!
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もくじ
熱中症の原因は水分・塩分不足!
熱中症とは、高温多湿の環境で長時間いることで、調節機能のバランスが崩れて熱が体内にこもった状態の総称です。
体内では水分と塩分が一定のバランスを保られていることで脳の体温調節を司るサーモスタッドが働き、常に温度が約37度に保たれるように調節されています。
しかし、運動や日差しの強い屋外で長時間いることで、皮膚温度や深部温度が上がり、大量に発汗が促されることで水分と塩分が不足します。
水分が不足すると何が起きる?
人は、体重の約60%は水分で構成されていると言われています。
体内での水分は、体全体へ栄養や酸素を運搬したり、汗や尿などの老廃物を外へ出したりと欠かせない役割を担っています。
血中の水分量が不足すると、血液はドロドロ状態になり、血流が悪くなります。すると、体内の細胞へ十分に水分と栄養が供給できず、細胞が脱水状態となってうまく働けなくなります。細胞が正常に働かなくなることで様々な不調につながり、体が倦怠感などを覚えるようになります。また、酸素も十分に行き届かなくなり、一時的なめまいや立ちくらみの原因にもなります。
また、水分不足で消化管の血流が悪化すると、消化吸収の働きがスムーズにいかなくなります。すると、食欲が低下して、食べ物からの水分供給が滞り、水分不足と栄養不足を引き起こし疲労が高まっていくことになります。
水分不足による起こること
- 血流の悪化
- 倦怠感・疲労感
- めまい・立ちくらみ
- 消化不良
- 食欲の低下
※環境省の熱中症予防情報サイトでは、1日当たり約1.2リットル程度の水分補給を推奨しています。
塩分が不足すると何が起きる?
塩分は水分と密接な関係性にあり、細胞内の水分バランスを保つために使われるのが塩分です。
人の体は、(成人の場合)体重の約0.3~0.4%が塩分、約60〜65%が水分で構成されています。中でも塩分は、血液や細胞外液など体内の水分をコントロールしています。塩分が不足すると体内の水分バランスがうまく機能しなくなり、脱水症状を引き起こしてしまいます。
なので水分を補給するときは、塩分の補給も大切です。
熱中症には「運動」と「環境」と「体調」に注意!
熱中症を起こす要因は主に3つあると言われています。この3つの要因に気をつけることで熱中症になる危険性を大きく下げることができます。
要因1:運動
夏場の激しい運動は大量に汗を流すので熱中症になる危険性が高いです。
運動によって筋肉は熱を発生させ、体温が上がります。上がった体温を下げるために血管が拡張し、血流が増えることで発汗します。
発汗するほど水分と塩分が失われ、体温の調節機能が正常に働かず、めまいや立ちくらみを引き起こします。
運動をする際には、こまめに水分と少しの塩分を補給することが必須です。
要因2:環境
熱中症を発症しやすい環境の条件は、主に高温・多湿・日差しの3点です。
日本は元々、高温多湿の環境ですが、夏場は特に日差しが強く、気温が高いです。熱中症になりやすい環境条件が揃っているので、できるだけそういった条件を避けることを意識しましょう。
屋外での作業時にはできるだけ日陰の場所を選んだり、日除けの帽子や傘を持参しましょう。また、屋内の場合は、冷房の効いた部屋で作業をしましょう。
要因3:体調
風邪などの体調不良の状態だと体温調節機能が低下しているのでより熱中症のリスクが高まります。
また、高齢者や幼児も体温調節機能が低下・未発達なので同様に発症のリスクが高いです。
普段からあまり運動をしない・肥満体型という方も、効率的に発汗できず熱中症になりやすいです。
※熱中症発症リスクが高い!
- 高齢者・幼児
- 運動不足・肥満の方
- 体調不良の方
正しい水分補給方法のポイント!
熱中症のリスクを下げるためには正しい水分補給を把握することが大切です。
ただ水分を取ればいいというわけでもないので、コンディションを維持するためにも効率な補給方法を理解しましょう。
ポイント1:水分補給のタイミングは30分に1回程度
前述したように、運動によって大量に発汗し、水分と塩分が失われます。運動をする際には、喉が渇いたら補給するよりもこまめに補給する時間を設けて
およそ15~30分に一度の頻度で水分補給をしましょう。水分量の目安は、(運動量に応じて)75〜250mL程度をこまめに補給することが推奨されます。
「喉が渇いたら水分補給をする」という方が多いですが、喉が渇いた時点ではすでに脱水状態である可能性もあります。水分補給するタイミングを決めておくことで未然い脱水状態を防ぐことができます。
特に水分が失われる時間の前後に水分補給をしておきましょう。
- 就寝前後
- 運動中、前後
- お風呂前後
ポイント2:補給時には塩分も一緒に摂取する
夏場の運動時などで短時間に大量に汗をかいた際には水分と同時に塩分の補給も必要です。
体内の塩分量が減ることで体内の塩分濃度が低くなってしまい、血液循環が悪化、頻脈、低血圧、頭痛、倦怠感や疲労感、さらに消化液の減少によって食欲不振や吐き気を引き起こしたり、筋力が低下し筋肉痛が起こりやすくなったりすることがあります。
なので、水分補給をする際には塩分も一緒に補給することで水分と塩分のバランスを保つことができ、しっかりとした熱中症対策に繋がります。
水分補給の際には一緒に塩分タブレットや梅干しといった塩分を豊富に含むものを補給するといいでしょう。
ポイント3:水分は常温が理想
水分補給をするときは、飲み物の温度にも気をつけましょう。
冷たい飲み物をたくさん摂取することで体温が下がり、免疫が下がり、胃にも負担を与えてしまいます。また、免疫が下がる可能性もあるので、できるだけ内臓に負担をかけないために常温で飲むことがおすすめです。
ポイント4:一気飲みよりちびちび飲み
水分を一気に摂取することで利尿作用が働き、折角摂取した水分もすぐに尿として排出されてしまいます。
なので、水分補給する際には一気に飲むのではなく、ちびちびと少しずつ飲む方がしっかりと水分が体全体に行き渡ります。
ポイント5:経口補水液だとなお良し!
経口補水液とは、食塩とブドウ糖を混合して、適切な濃度で水に溶かしたものです。
真水よりも水分の吸収が効率的に行われるため、主に脱水症状になった際の食事療法で用いられています。
経口補水液で水分補給することで、失った水分と電解質が短時間で吸収されるので効率がアップします。経口補水液はドラッグストアやコンビニでも購入できるので夏の間は特におすすめです。
アルコールとカフェインには利尿作用があります。
なので、摂取した水分がすぐに尿として排泄されてしまい、水分補給飲料としては不向きです。
特に、アルコールは体内で分解するためにさらに水分が失われるので、結果として摂取した水分量以上の水分が失われます。