
多くの女性の悩みのタネである「ダイエット」。何度も色んなダイエットに挑戦をしてもリバウンドをしてしまうという負の連鎖を繰り返してしまう女性も多いです。
ダイエットで重要なのは、適度な運動とバランスの良い食事です。特に、食事によって大切な栄養素が補われるので、過度な食事制限はむしろ減量を停滞させたり、他の体調不良を招く恐れがあります。
ダイエットに効果的な栄養素を含んだ素材とダイエット中は摂取するべきでない素材を把握し、バランス良く日々の食事に取り入れることで健康的にダイエットを成功させることができます。
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もくじ
ダイエットで気をつけるべき食事のポイント
ダイエット中の食事メニューはとても大切です。
食事量と摂取する栄養素によって基礎代謝が変動し、運動効率も変わってくるのでダイエットの結果が大きく変わります。
極端にカロリーを気にして食事量を減らすよりも、必要な栄養をバランス良く摂取する方がダイエットには効果的です。
良質なタンパク質を積極的に摂りましょう!

人の体の約60%は水分でできていますが、15~20%はタンパク質でできています。
タンパク質によって筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などが作られており、栄養素の運搬も行っています。なので、タンパク質は人体を構成する栄養素の中でも重要な栄養素の一つなんです。
ダイエットにどのように効果的かというと、タンパク質は脂肪になりにくく、脂肪の燃焼を促す効果があるからです。
というのも、タンパク質を多く含む食事を積極的に摂ることで筋肉量が維持されます。筋肉は基礎代謝を上げるためには欠かせません。基礎代謝が維持または上昇することで脂肪が燃焼されやすくなるので少しの運動量でも蓄積した余分な脂肪を落とすことが期待されます。
また、筋肉は人体の中でもカロリー消費量が大きいので、筋肉量が多いほど消費カロリーが増加します。
もし、過度な食事制限によって体内のタンパク質が不足した状態が続くと、筋肉量が減少してしまう可能性があります。筋肉が減少することで基礎代謝が下がり、冷え性や肩こりが悪化したり、体型が崩れやすくなったりします。また、ダイエットしてもリバウンドしやすい体質にもなる可能性があります。
人間が生命維持活動のために消費するエネルギーのこと。
体温維持や心臓を動かしたりすることに使うエネルギーで、年齢や筋肉量によっても変動します。
成人男性であれば1日 約1500kcal、成人女性であれば1日 約1200kcalが消費されると言われています。
1日の食事回数は3回+間食が理想的

ダイエット中には1日の食事を1回に制限しているという方を多く見かけます。1日1食生活をすることで摂取カロリーが減るので結果的には痩せます。
しかし、1日1食では1日に必要な栄養素が補給できないので、脳が危険を察知し、体に蓄積した脂肪や筋肉を消費して摂取した脂肪を溜め込むように指令を出します。これにより体が省エネモードになり、わずかな食事量で脂肪を溜め込みやすい体質になってしまいます。
極端に食事量・回数を制限するよりも摂取する時間と食事内容を注視した方がダイエットには効果的です。
朝食べることで体内時計をリセット
人の体内時計は光と食事による刺激によって日々調整されています。
なので、朝食を摂った時間とメニュー内容によっては、日中の食事で摂取した栄養素の吸収・消化の効率が大きく変動してしまいます。それによって運動効率も下がり、日中のパフォーマンスにも影響が出ます。
また、体内時計の調整がうまくいかないことで睡眠周期も崩れ、肌へも悪影響が及びます。
朝は忙しいからといって朝食を抜いてしまうと、
- 日中のパフォーマンス低下
- 体内時計の崩れ
などが発生するのでダイエット中でなくても朝食はしっかり摂ることが推奨されます。
夜まで保たせるために昼食もしっかりと摂るべき
朝食べたから昼は抜いてもいいとはなりません。
むしろ、1食抜くことで体内は空腹状態となるので脂肪を貯めやすい状態となり、次の食事のタイミングで摂取した脂肪が蓄積されて太りやすくなってしまいます。
なので、できるだけ空腹状態を短くして体脂肪として蓄積される量を減らすことが大切です。
また、日中も仕事や運動でカロリーを消費するので、その分昼食をしっかりと摂っておくことで運動効率が上がります。
夕食はボリューム少なめで
夕食後は寝るだけなので、食事量は少なめがおすすめです。
夜もしっかりと摂ってしまうと脂肪として蓄積されてしまう可能性があるので、サラダなど軽いメニューが良いでしょう。
ただ、まったく食べないと筋分解(カタボリック)が起こり、筋肉量が減少して基礎代謝が減ってしまうため、3食はしっかりと食べることが大切です。
体内のアミノ酸濃度は常に一定に保たれていますが、エネルギーが不足すると体内のアミノ酸が栄養として使われ、アミノ酸濃度は低下してしまいます。
アミノ酸濃度の低下を防ぐために、カタボリック(筋肉の分解)が起こります。
ダイエット中におすすめのダイエットフード

1日の総食事量を減らすよりも、食事内容にダイエットに効果的な栄養素を含んだ素材を取り入れる方が効率的なのでダイエットを進めていく上で食材選びは大切なポイントです。
ダイエット中に積極的に食べるべきおすすめの食材についてご紹介します。
歯ごたえのある食材を選ぶ
食べ物をよく噛むことで胃腸の消化・吸収を助け、さらに満腹中枢が刺激されるので満腹感を感じやすくなります。適度に弾力がある食材をメニューに取り入れることでよく噛むので満腹感を得ることができます。
歯応えのない柔らかい食べ物の場合、飲み込みやすくて噛む回数が減り、なかなか満腹感を感じないのでつい食べ過ぎてしまう可能性が高いです。
しかし、咀嚼回数を増やして食事時間を多めに摂るだけでも食事量を減らしても十分に満腹感を感じることができます。
時間をかけてよく噛むことで脳の働きが活発になり、神経ヒスタミンの分泌量が増えます。
神経ヒスタミン※は満腹中枢や交感神経を刺激し、脂肪細胞から分泌され食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌も刺激されると考えられています。よく噛むことで食欲が抑えられ、満足感を得やすくなります。
※睡眠・覚醒、食欲、性行動など基本的な活動性を制御する。
歯応えのあるおすすめ食材

- ごぼう
- するめ
- ナッツ
- 干し芋
- 玄米etc
低GI食材を選ぶ
ダイエット中の食事選びではカロリーばかりに目がいってしまいますが、何よりも大切なのは血糖値を急激に上げないことです。
体内の臓器や組織では、細胞がたえず血糖(血中のブドウ糖)を取り込んでエネルギーに換えて活動しています。その取り込み作業にはインスリンが不可欠です。インスリンは膵臓から生成されますが、体脂肪率が高い場合、インスリンが脂肪のせいで効きづらくなり高血糖を招きます。
さらに、インスリンは糖を脂肪として蓄える働きがあります。
血糖値の急激な上昇を防ぐには、低GI食材を取り入れることをおすすめします。
GI(「グリセミック・インデックス」の略称)とは、食品に含まれる糖質の吸収度合い。摂取してから2時間までの血液中の糖濃度を計ったものです。
オーストラリアのシドニー大学ではグルコースを基準とした場合、GIが70以上の食品を高GI食品 56~69の間の食品を中GI食品 55以下の食品を低GI食品と定義しています。
低GIのおすすめ食材

- 納豆など大豆食品
- そば
- さつまいも
- キノコ類
- ヨーグルトetc
食物繊維が豊富な食材を選ぶ
ダイエットには欠かせない要素の一つとして食物繊維も含まれます。
食物繊維を摂取することで腸内環境が改善され、便通を正常にする効果があり、さらに糖質の吸収を抑えてコレステロールなどの有害物質を吸着する作用もあります。血糖値を抑制し、便通が改善されるのでダイエットに有効な栄養素です。
食物繊維には、大きく分けて2種類があります。それぞれに特徴と得られる効果が異なります。
- 水溶性食物繊維・・・水に溶けることで粘液状になります。粘液状になることで腸内での便の通りを良くする働きがあります。
- 不溶性食物繊維・・・水には溶けずに水分を吸収して便の嵩を増やします。便の嵩が増えることによって腸を刺激して、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にしてくれます。
食物繊維が豊富な食材

- 玄米、とうもろこしなどの穀類
- 納豆、豆腐などの豆類
- さつまいも
- ごぼう
- みかんなどの柑橘類
- キノコ類
- わかめ
ダイエット中にはNG?!太りやすくなる食材は?

ダイエットには食事メニューが大きく関わります。栄養バランスの取れた食事を摂ることが大切であり、偏った食事を続けていると運動をしていても減量できない可能性もあります。
ダイエットを意識したい方は「ダイエット中は避けるべき食材」があることを理解し、できるだけそれらの食材を避けた食生活に変えましょう。
脂質が高い食材
食事から摂取した脂質が多すぎると、エネルギーとして消費しきれずに脂肪として体に蓄積されてしまいます。
さらに、脂質の摂取量が多いと血液中の悪玉コレステロールが増えて血管内部に付着し、その結果メタボリックシンドロームや動脈硬化などの生活習慣病のリスクが高くなってしまいます。
ダイエット中はでいるだけ低脂質の食品を選択しましょう。
脂質が高い食品例

- ベーコン、ウィンナーなどの加工肉
- コロッケ、天ぷらなどの揚げ物
- インスタント食品
- ケーキなどの洋菓子
- マヨネーズ
- カマンベールなどのチーズ類
- ハンバーガーなどのファストフード
糖質が高い食品
人体は、摂取した糖質が膵臓から分泌されたインスリンによって脂肪として蓄積される仕組みになっています。なので、糖質を摂りすぎるとエネルギーとして消化しきれずに脂肪として蓄えられて肥満につながります。
ダイエット中はできるだけ糖質が低い食品を選びましょう。
糖質が高い食品例

- 白米
- パスタ、うどんなどの麺類
- 砂糖、ケチャップなどの調味料
- 炭酸飲料
- ポテトチップスなどのスナック菓子
- ウィンナーなどの加工肉
- ハンバーガーなどのファストフード
歯応えのない柔らかい食品
前述したように、人の脳はよく噛むことで満腹中枢が刺激されて満腹感を得られます。
歯応えのある食材を食事に取り入れれば少量でも満腹になれるので、玄米やごぼうなどの硬めの食材をおすすめしましたが、逆に歯応えのない食品とはどのようなものなのか?その具体例をあげていきます。
歯応えのない食品例

- うどん、そば、そうめんなどの麺類
- おかゆ
- ゼリー
- 柔らかい食パン
まとめ
ダイエットにおすすめ&NG食品をご紹介しましたが、ダイエットで大切なのはバランスです。
過剰に食事制限してしまうと、栄養バランスが偏ってしまい、体が栄養不足状態となってしまいます。過剰な食事制限で減量は可能ですが、その場合は脂肪だけでなく体型維持や運動に欠かせない筋肉まで減少している可能性が高いです。また、筋肉が減少してしまうと脂肪が蓄積した時に痩せにくくなってしまいます。
いきなり食事制限をするのではなく、まずは食事内容を変えることから始めましょう。例えば、主食だった白米を玄米に置き換え、低カロリーでタンパク質が豊富な鶏肉を積極的に取り入れたり、簡単なところから始めてみましょう。
筆者が何より推奨するのは、健康を維持しながら減量することです。
無理な食事制限と激しい運動をすることで減量は可能でしょうが、リバウンドしてしまう可能性が高く、リバウンド癖がついてしまうと脂肪もつきやすくなってしまいます。
長い目で見れば健康的な食事を持続して太りにくい体質を作る方が良いです。短期間で痩せなければと焦ってしまうと健康的にも精神的にも良くありませんので、ゆっくりと構えて無理ないレベルでダイエットをすることが何より美容につながります。